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解決の方法

解決の方法

友達との間でトラブルが起きた時、まず「言葉によるコミュニケーション」での解決が大切だということは、前回お話しました。
今回は「問題解決能力」の中の「解決の方法」について、お話します。

例えば、おもちゃや遊具の取り合いになった時、どんな「解決の方法」があるでしょうか。

まず、「早いもの勝ち」。
子どもの世界の原則は、これだと思います。
でも、一人の子が、ずっとそのおもちゃや遊具を占領していたら、トラブルはまた始まります。

「○○ちゃんばっかり、ずるい!」
「貸してって言っても、貸してくれない・・・」

そこで今度は「順番」という方法がでてきます。
「次に貸して。」
「うん。あとでね。」
少し大きい子になると、
「10数えたら、交代して。」など、時間を区切って交代しようと提案したりもします。

それから、どうしても決着がつかない時には、「ジャンケン」という方法もでてきます。
「ジャンケンで決めよう。」
「うん。いいよ。」
「ジャンケンポン!」
負けた子「やっぱり、三回勝負にしよう!」
そんな知恵(?)もついてきたりもしますが、何とか公平に、お互い納得できる方法を、子ども同士考え合って、トラブルを解決しようとします。

だから私たち保育者は、子ども同士でトラブルが起こっても、すぐには間に入ってはいきません。耳をダンボにして、横目でチラリチラリ成り行きを見守っています。
「言葉」で「方法」を探りあう子どもたちを、私は素晴らしいと思うのです。

時には、一方的で、あまり公平とは言えない方法にたどり着くこともあります。大人は一言言いたくなってしまう場面ですが、双方が本当に納得できているのなら、その場はそれでいいのではないかと、私は思います。

それが子どもの世界ですし、因果応報、有利だった子が、逆の立場に立たされる場面もきっと訪れるのですから。長い目で見て、平等・公平・譲り合いということを学んでいければいいわけです。

ただし、その場合、不利な結末を迎えた子の様子は、しっかりと見届ける必要はあります。平気そうなら問題はないのですが、不服そうだったり、悔しそうなようすが伺えたら、さりげなく「どうかした?」と声をかけます。不満があるようなら、気持ちを汲んで、助け舟を出します。

相手の子に「△△君は、本当は悔しいみたいだよ。もし、あなたが、そうされたら、どうかな?」ともう一度、その方法について考え直すよう促したり、「こんな方法もあるよ」とアドバイスをすることも必要だと思います。

自分たちで考え、時に大人の助けを借りて、子どもたちは、場面に合った公平な「問題解決の方法」を学んでいくのです。

でも、いくら公平な方法が提案されても、どうしても譲れず、泣いたり、強情を張ったりして、うまく収まらないこともあります。
そこで、次の「問題解決能力」の一つ「自己コントロール」の力が必要になってきます。

このお話は、また次回に。

(2005/5/3)


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